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生活習慣の改善や社会参加など、効果が期待される認知症予防の普及啓発や、認知症になった後もその方らしい生活の維持や進行抑制を社会で進めようといった活動をしているNPO法人や企業、団体、個人が集まって、「全国認知症予防ネットワーク」が9月4日発足しました。自由民主党の鈴木隼人衆議院議員が呼びかけ人となり、同日、衆議院第一会館で識者やメンバーを集めて、認知症予防サミットを実施した。加藤勝信厚生労働大臣らの他に、ハート・リング運動代表理事で日本医師会副会長の今村聡先生が来賓として挨拶を行いました。

「全国認知症予防ネットワーク」設立総会に参加しました。
2017年9月4日
ハート・リングフォーラム・口から考える認知症2017in Tokyo
~認知症時代を明るく照らす視点~
が開催されました。
2017年9月18日

9月18日都内で「ハート・リングフォーラム・口から考える認知症2017in Tokyo~認知症時代を明るく照らす視点~」が開催されました。毎年、医科、歯科連携をテーマにさまざまな角度から認知症について考えるハート・リングフォーラムですが、今回のフォーラムでは、「敬老の日」に合わせて、より幅の広い有識者や介護経験者による多角的な視点から、超高齢社会、認知症時代を改めて見つめ直しました。各分野でご活躍される皆様から貴重なご講演をいただくことができました。荒井啓行先生(東北大学加齢医学研究所 老年医学分野教授)は、「グローバル化する認知症」と題し、世界で4,400万人を超える認知症の発症をいかに予防するか、また認知症患者にとって安全で住みよい生活環境のあり方についてのお話がありました。

東京医科歯科大学大学院 地域・福祉口腔機能管理学分野教授の古屋純一氏からは、認知症と口や食べる事、噛むことの深い関りについて多角的な視点からのお話がありました。また、口から食べる楽しみを守ることの重要性について、歯科の立場から具体的な解説がありました。泣き笑い体験談「仕事をしながら!認知症の親を看る。」では、 長年に渡って家族の介護をした経験を持つ、フリーアナウンサーの松本秀夫氏と早田 雅美(ハート・リング運動 専務理事)が介護に関するエピソードを語り合いました。 特別基調講演として日本を代表する経済学者の清家篤先生にもご講演いただきました。清家先生は労働経済学をご専門とされ、少子高齢化や人口問題をはじめ広い分野に知見を持たれる第一人者であり、有識者として国の様々な政策決定にもかかわってこられました。ハート・リングフォーラムにおいて経済学分野の先生からのお話しは初めてでした。清家先生のお話の一部をご紹介します。

『高齢化は長寿化の現れでも あり、良好な栄養状態、衛星 環境や高度化した医療水準が 関係していますが、いずれも 日本の経済発展成功の賜物と言えます。今後求められるのは「健康 寿命」です。健康寿命が延び れば、歳をとっても働き続けられる「職業寿命」が延び、 所得が増えお金を運用したり できる「資産寿命」も延び、 幸福感も増大することでしょう。楽しくお金を使える「消 費寿命」が延びるなど様々に 社会と関わり合っていく「社会的寿命」が延びるわけです。ある高齢者施設の方が、「寝たきり」にさせまいと入 所のおじいさんに「さあ起き ましょう」と声掛けしたとこ ろ、「起きて何するんですか」 と訊かれたという話しがあります。社会的寿命を延ばすことが、巡り巡って健 康寿命の延伸にも役立つと考えられます。社会との関わりや活動を放棄せず、比較的健康な高齢者 がより高齢な人を支える 地域のあり方が大切になります。幸いにもヨーロッパの 高齢先進国に比べ、日本は高 齢者の就労意欲が高く、その 能力の高さもOECD諸国で 常に 1 位です。今のままでは 将来日本の労働人口は減り続け生産低下をもたらします。 このことからも 65 歳と言わず、 定年をもっと伸ばして高齢者 の職業人生を延ばすことは必 要な処方箋なのです。社会保 障を享受する時期を先に 延ばし、税を納め社会を 支える高齢者が増えるこ とにもつながるわけです。住んでいる家や土地を 担保にあらかじめ資金を 借りるリバースモゲージ、 信託契約、保険契約など。高齢者が自分の資産を有効に 運用する手段があります。金 融収益は高齢者の生活水準も上げてくれるでしょう。高齢 者自身の持つ力が今以上に活用され、個人はもちろん社会 全体が長寿を喜び合える社会 にしていかねばならないので す。第 4 次技術革新と言われる 人工知能、ロボット、IOT、 生命科学の進歩は、人が人に しかできない心のこもった医 療や介護に集中できる環境を 作り出します。私は、一人ひ とりが社会を支えようになることで、世界に類を見ない高 齢化した私たちの国を、豊か な実りある社会に作り上げる ことができると考えています。』

フォーラム2017inTokyo
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