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講演1 14:10〜14:30 

小阪 憲司

Kosaka Kenji

横浜市立大学名誉教授

専門医からみた認知症の課題

私が認知症の診療と研究をはじめた昭和40年代、認知症は極めてまれな疾患でした。しかし現在新聞や、ニュースを見ていて、認知症に関する報道は連日のように報じられています。厚労省研究班の認知症患者数は予備軍を含めると862万人と、なんと高齢者の4人にひとりに相当します。誰もが認知症になる可能性があるのです。医療人としては肩身の狭い事ですが、認知症と診断できてもほとんどの原因疾患を治すことができません。しかし救いは適切な治療でBPSDと呼ばれる行動心理症状を改善させられることです。また認知症を正しく理解して、周囲が本人のプライドや、やる気、そして自信を大切にすることで、症状や進行を和らげることもできるのです。口腔ケアの重要性はかつてから言われてきたことですが、自分らしさを維持するためのもっとも基本的なテーマのひとつとして、一層その必要性が見直されることを望んでいます。

 

 

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