メンバーからのメッセージ

歯科と認知症
 

平成24年の発表で、全国の65歳以上の高齢者3,079万人のうち、認知症有病者は約462万人、軽度認知障害の有病者は400万人と推計されました。高齢者の4人に1人は何らかの認知障害があるという驚愕すべきデータです。今や認知症はすでに珍しい病気ではなく、自分や家族を含めて誰に起こってもおかしくない状態にあり、すべての国民に対してこの疾患の理解と思いやりの心が求められています。

認知症は次第に進行し、病気との付き合いは長期にもなることも多く、歯科医師としても今を診れば良いだけでなく次に何が起こる可能性があるか、予知性をもった対応と対策が求められます。認知症患者に寄り添う上で、食べることや口腔衛生を保つことといった生活の質を向上する視点の必要性は高く、介護における多職種連携の中で、歯科の役割に大きな注目が集まっています。特に、認知症を発症する前から長期にわたり、定期的な口腔管理を行っている「かかりつけ歯科医師」は、初期の症状に最初に気づくことも多く、家族からの相談を受ける、認知症専門医への紹介をするなど、その存在は非常に重要です。

また近年、大規模な追跡調査によって、歯がほとんどなく義歯を使っていない人は、歯を多く有する人と比較して、認知症を発症するリスクは約2倍高くなることが明らかとなっています。歯や口腔の健康維持に努めていくことは、認知症のみならず様々な全身の疾患の予防になることが分かってきていますので、日頃からできる備えを心がけることが必要です。

堀 憲郎
NPO法人ハート・リング運動 代表理事

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